安全衛生委員会って、なんのためにあるの?

お知らせ

〜形骸化から脱却して“意味ある場”に育てよう〜

義務だからやってるけど…

「毎月1回、安全衛生委員会を開催しています。議題は…いつもどおりです」
「正直、何話したらいいかわからないんだよね…」

そんな“安全衛生委員会あるある”、ありませんか?

この記事では、

  • なぜ安全衛生委員会が必要なのか
  • なぜ形骸化してしまうのか
  • 活用したらどんなメリットがあるのか
    をわかりやすくご紹介します。

安全衛生委員会って、そもそもなに?

  • 労働安全衛生法 第17条 により、常時50人以上の労働者がいる事業場に設置義務あり
  • 労使で「職場の安全と健康」について話し合う場
  • 労災やメンタル不調を未然に防ぐための情報共有と対策検討の会議

労使で「職場の安全と健康」について話し合う場

労災やメンタル不調を未然に防ぐための情報共有と対策検討の会議です。

【参考】安全衛生委員会に関する法律一覧

法律名/条文内容
労働安全衛生法 第17条常時50人以上の事業場に、安全衛生委員会の設置を義務づけている
労働安全衛生法 第18条(衛生委員会)職場が一定業種・一定人数の場合、衛生委員会の設置が必要
労働安全衛生規則 第23条委員の選任方法、人数、男女構成、会議の開催頻度(月1回以上)など、詳細な運営ルールを定めている
労働安全衛生法 第13条産業医の選任義務についての規定(安全衛生委員会のメンバーにも含まれる)

現状:形骸化している実態

  • 議題が毎月同じで形式的:「災害ゼロ」「換気OK」だけ
  • 発言する人が固定されていて、委員が参加していない
  • 実は委員なのに、自覚がない社員も…
社員A
社員A

え、安全衛生委員会って毎月あったんですか?

衛生管理者B
衛生管理者B

君も委員なんだよ…

社員A
社員A

あの、紙にハンコだけ押してるやつ?

衛生管理者B
衛生管理者B

違う!ちゃんと話し合うやつ!!

安全衛生委員会が形骸化してしまう大きな理由は、「義務だからやっている」という形式的な運用に陥ってしまうからです。
本来は職場の課題や改善点を話し合う場ですが、現場に関係のない議題や、毎月の報告だけで終わってしまう会も少なくありません。また、経営層と現場の温度差や、長年同じメンバーで構成されていることによるマンネリ化も原因の一つ。
結果として、誰も真剣に意見を出さなくなり、「何のためにやってるのか分からない会議」になってしまうのです。

形骸化のサインはココ!

  • 「義務だからやる」だけになってしまった
  • テーマが現場と関係ない(共感が持てない)
  • 経営層の関心が薄く、現場との温度差がある
  • 委員の顔ぶれが変わらずマンネリ化している

活用したら、こんなに変わる!

安全衛生委員会をうまく活用すれば、現場でのヒヤリハットや事故のリスクに早めに気づき、未然に防ぐことができます。
さらに最近では、メンタルヘルス対策の強化が求められており、将来的には法的義務の拡大も見込まれています。そうした中で、委員会の中で体調や雰囲気の変化を話題にできることは、メンタル不調の早期発見・対応につながります。

また、委員構成を見直して、ベテランだけでなく社歴の浅い人や若手社員、女性社員など多様な立場の人を含めることで、より多くの「気づき」が集まりやすくなります。
社歴が短くても「これは危ないかも」「ここ、ちょっと働きづらいかも」と感じたことを気軽に言えるようになれば、それだけ職場の安全や快適さに関する改善の幅が広がります。

こうした委員会は、単なる“報告会”ではなく、「健康経営」の中核を担う場として機能させることができます。
社員の声が通る、風通しのいい職場づくりにもつながり、会社全体のエンゲージメントや信頼感がぐっと高まります。

社員C
社員C

なんか最近、委員会で発言増えてない?

委員長
委員長

意見出したら、実際に改善されたからね

社員C
社員C

えっ…うちの会社、変わるんだ……(ざわ…)

委員長
委員長

「ちゃんと聴いて、実行する。それが“委員会”

委員会に“魂”を入れるためのポイント

形だけの会議から脱却し、「魂のある委員会」に育てるには、まず現場のリアルな声や課題を起点にすることが大切です。議題は“ヒヤリとしたこと”“ちょっと不便だと感じること”など、誰でも話しやすい“問い”から始めましょう。

さらに、メンバー構成も工夫を。部署や年次、性別などに偏りなく、多様な視点が集まることで、気づきの幅がグッと広がります。社歴が浅い人の「気になる」が、実は大きな改善のヒントになることも。

そして何より、この場が会社の理念や方向性とつながっていることが重要です。安全や健康は“別のこと”ではなく、「どういう働き方をして、どんな会社を目指すのか」という経営方針と直結しています。

委員会はその方針を現場に届け、また現場の声を経営に返すハブのような存在。だからこそ、経営層もきちんと関わり、意義を語ることで、委員会が“会社の未来を一緒に考える場”として、真に機能しはじめるのです。

委員会に“魂”を入れるためのポイント

安全衛生委員会を形だけの報告会で終わらせず、「会社の未来を一緒に考える場」にしていくには、日々の運営にちょっとした工夫が必要です。

  • テーマは現場の「困りごと」ベースで設定する
     ⇒ 現場で起きていることを出発点にすれば、自分ごととして話しやすくなります。
  • 委員は部署をまたいで多様な立場の人をミックスする
     ⇒ 多様な視点が集まることで、新たな気づきや意外な盲点に気づけます。
  • 議題に“問い”を加える:「今月、ヒヤリとしたことは?」
     ⇒ 話題を引き出しやすく、意見が活性化します。
  • 経営層も定期的に参加・コメントする
     ⇒ 経営方針とリンクした場にすることで、委員会の位置づけが明確に。
  • 改善が見えるように、掲示や社内報で発信する
     ⇒ 委員会の取り組みが「見える化」され、社内全体への浸透につながります。

こうした運営の工夫に加えて、委員会は単なる安全衛生活動ではなく、会社の理念や方向性とつながる「働き方を共につくる場」であるという意識を持つことが何より大切です。
世代も部署も超えて、みんなが同じ方向を向ける、そんな“芯の通った委員会”が、未来の安心と信頼をつくります。

安全衛生委員会の運営サポートをしています。ご興味あるかたは、下記からご相談ください。

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